西川口で日雇いのティッシュ配りをした。初めて降りる西川口は風俗とキャバクラだらけで、まだ小娘だった私には少し怖い場所だった。 キャバクラの呼び込みと間違われたりしておっさんからいやらしいことを言われたりもしつつ、いつも通りティッシュを配っていたら、目の前をフィリピーノとおぼしき女性と5歳くらいの男の子が通りかかった。男の子は彫りが深い大きくて真っ黒な目をしていて、一目でハーフだと分かる。こちらに目線をロックオンしたまま通り過ぎて行った。 「ああ、ここらへんはああいう女性も多いのかなあ」などと思いつつ子一時間仕事していると、服の裾を引っ張られた。振り向くと先ほどの男の子。「何してるの?」と聞かれたので「ティッシュ配ってるんだよ」と答えたら、「僕もやっていい?」と言う。 ちょっと困っているうちに、男の子は勝手にティッシュを両手に持って「お願いしまーす!お願いしまーす!」と配り始めてしまった。こ