大人気ブログ『中国嫁日記』の作者、漫画家でイラストレーターの井上純一氏は、昨年春から経営する玩具会社の製造拠点、中国の広東省東莞市で暮らしている。2月末に刊行し、すでに3刷15万部となった『月とにほんご中国嫁日本語学校日記』(アスキー・メディアワークス)の原稿は、日中を行き来しながら書き上げた。反日暴動に揺れた昨年を振り返りながら、現代中国庶民のリアルな姿を井上氏が語った。 * * * ――広東省の東莞市へ移住されて、もうすぐ1 年ですね。ものすごい勢いで開発が進んでいる地区のようですが、まだ不便なところはあるのでしょうか? 井上:最大の問題はネットがのろいこと。光回線で4 メガですよ! その上に「金盾」(※中国政府によるネット検閲システム。多くのSNS やブログに接続できない)が存在します。最近リニューアルされて、勝手に通信の逆探知をしてルートを自動的に塞ぐシステムがつき、いっそう