3月7日に打ち上げに失敗したH3ロケット試験機1号機。トラブルが起きたのは、2段のエンジン着火を制御する電気系統だった。2系統あるフライトコンピューターがエンジンの制御機器部分から異常な電流を検知し、2系統とも安全のために電源を遮断。点火器や2段エンジンへ推進剤を供給するバルブなど電気系統の機器は電源を絶たれて動作せず、ロケットは飛行を中断した。安全のため地上からの指令破壊信号でロケットの機体は破壊(爆破ではなく、タンクを割って飛行を止める)され、搭載された地球観測衛星「だいち3号」ごとフィリピンの東方沖の海に沈んだ。 H3ロケットの第2段エンジンはH-IIAから引き継いだもので、これまでH-IIAでは40回以上も着火失敗というトラブルなく飛行してきたものだ。ただ、H-IIAでは1系統だったロケット2段のフライトコンピューターがH3では2系統の冗長構成に変更されている。試験機1号機ではA系
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