ブックマーク / kenmogi.cocolog-nifty.com (3)

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 表現者はいいわけをしてはいけない

    しばらく前に、京都大学の 学園祭での私の講演を聞かれた方から、 「表現者はいいわけをしてはいけない」 という言葉の意味について ご質問をいただいた。 これには二重の意味がある。 一つは表現者の側から見た場合、 もう一つは、鑑賞者の側から見た場合である。 表現者にとってみれば、 作品というものは一度自分の手を 離れれば勝手に流通していって しまう。 自分のコントロール不可能な 領域に入っていってしまう。 その拡散の全ての局面に、 付き添っていっていちいち説明 することはできない。 「当は、こういう意味だったんです」 「あなたのその意見は誤解です」 などと、補ったり、修正したり することは、表現者としての分に反する。 どんなにひどい曲解をされても、 真意をつかんでくれなくても、 我慢しなければならない。 自分の表現がまだ拙いから わかってもらえなかったのだと、 修練による向上を志向しなけれ

    cubeisthebest
    cubeisthebest 2007/12/11
     表現者という者は、長く真摯な経験を積んだ者ほど、じっと耐えている気配をにじませるようになるものである。そこには一つの諦念がある。
  • 茂木健一郎 クオリア日記: たくさんの水を蓄えて

    集英社の「青春と読書」に連載していた 『欲望する脳』が、この程同名の タイトルで集英社新書になる。 その関連で、長谷川眞理子 先生にお目にかかって対談した。 韓国から帰ってきたばかりの 長谷川さん。 進化論や、ダーウィン、 生命哲学の話であっという 間に楽しく時間が過ぎた。 生態系というものは、基的に 環境を整えて後は放置して おけば勝手に育っていく。 ある面積の溜まり水を用意して おけば、いつの間にかメダカが 来て、アメンボが這い、 水草が茂る。 土地を放置しておけば、 草が生え、そのうちどこからか 木の種が飛んできてすくすくと 成長する。 生態系を育むということは、 基的に「管理する」とか 「コントロールする」という ことになじまない。 せいぜい、「手入れをする」 ことができるだけである。 「教育」というのも 同じことであって、基的に 環境を整えて放っておくしかない。 最近の大学

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    cubeisthebest 2007/10/10
    環境を整えたら、あとは学ぶ者の自主性に任せるのが、最も自然の摂理に適った方法である。
  • 茂木健一郎 クオリア日記: いわゆる消去主義です

    なんとなく疲れていて、 土曜の午前中はソファに寝転がって 金曜日に宝島社の田畑博文さんにいただいた 宝島新書 門倉貴志著『ワーキングプア』 を一気に読んだ。 支度をして、家を出て、 慶応大学に行こうと、地下鉄のエスカレーターを 上がっていると、青い作業服を着たおばさんが ぞうきんを持って、ベルトをぬぐいながら 上がっていった。 時給がいくらでも、人は働いている時には 充実感を感じて没入してしまうものである。 大学院生の時、アルバイトで塾講師をした。 時給は悪くはなかったが、塾全体の収入に 比べてつりあっていたのかどうか、 そんなことは実は余り考えなかった。 小学校の時には奇妙な思い出がある。 何かが欲しくなって、 お金を貯めようと、 母親の知り合いの八百屋さんで もやしを詰める仕事をしたのだ。 どれくらいもやしを詰めたのか 覚えていないが、 とにかく、終えると「はい、けんちゃん」 と100

    cubeisthebest
    cubeisthebest 2006/11/13
    時給がいくらでも、人は働いている時には 充実感を感じて没入してしまうものである。自分が考えたことを、興味を共有するひとたちと 分かち合うことはさらに楽しい。お金はまあ、そこそこにもらえればいい。
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