ブックマーク / econ101.jp (9)

  • ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)

    ウォーク政治活動を理解する上で最も重要なのは、これは伝統的なタイプの「反自由主義」とは異なっており、「反自由主義的リベラリズム」の一種であると考えた方がよいということだ。 Joseph Heath: Woke tactics are as important as woke beliefs Woke language hides illiberal tactics in liberal aims Posted by Joseph Heath on June 23, 2021 ここ数年、進歩主義を装った反自由主義が世を覆いつつあったが、ついにアメリカリベラルたちは団結して行動を起こし始めた。リベラルたちは、「ウォーク」〔woke、社会問題に対して目覚めた(=wake)人々を指す〕の政治活動やイデオロギー的影響力の拡散を阻むために、いくつかの組織を創設したのである。〔ウォークと戦う〕リベラル

    ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)
  • ジョセフ・ヒース「学問としてのマルクス主義はなぜ凋落したのか」(2024年9月15日)

    先日投稿した「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(原文はここ、邦訳はここで読める)という記事が、このブログ(In Due Course – substak)に投稿してきたこれまでのどのエントリより数倍も多くの読者に読まれた。私はこの事実を突き付けられ、最近の人が何を読みたがっているのかについて、自分が根的に何も分かっていないことを認めざるを得なくなった。これほどたくさん読まれると分かっていたら、このエントリはもうちょっと違った形で、カジュアルさを落として書いていただろう。 具体的に言うと、先のエントリは、私の人生の一時期に政治哲学の分野で起こった1つの論争を説明しようとしただけだった。西洋マルクス主義の運命について全般的な説明を行おうとしていたわけではなかったのだ。そこで私が述べたのはある意味で、(少なくとも哲学者の間における)マルクス主義理論へのとどめの一撃である。だが、マルクス

  • ピーター・ターチン「人工知能はカウンター・エリートを量産し、社会を不安定化させるだろう」(2023年11月20日)

    ChatGPTをはじめとする生成AI人工知能)の目覚ましい成功は、機械の台頭が労働者にどのような影響をもたらし、最終的に我々の社会をどう変えるのかについて沸騰していた議論にさらに火をくべた。破滅派は、ロボットが人間に取って代わり、人類文明を滅ぼすだろうと予測している。楽観派は、成長に伴う苦しみは避けられないが、乗り越えれば、新たなる知的機械によって我々社会はもっと良くなるだろうと主張している。なんだかだいっても、人類は、過去の技術革命を特に悲惨な結果とせずに、うまく消化してきている。 しかし、歴史から学ぶのは、簡単ではない。AIによる革命は、我々社会に新たな予期せぬストレスをもたらすだろう。現在、技術のシフトのもたらす勝者と敗者について議論されているが、これは重要な側面を欠いている。技術シフト後に社会・政治的な混乱がどれだけ生じるかも重要だ。 この原理の極端な例として、ある特殊な労働者階

    ピーター・ターチン「人工知能はカウンター・エリートを量産し、社会を不安定化させるだろう」(2023年11月20日)
  • ノア・スミス「インターネットは断片化したがっている」(2022年12月17日)

    世の中のみんなを1つの部屋に放り込んでうまくいくわけがない 5年前,同僚の Dayv といっしょにビールを1杯やってたときのことだ.ぼくは Twitter をぐりぐりスクロールしながら,ドナルド・トランプの最新暴挙にみんなが憤慨してるのをしげしげと眺めて,こんなことを言った.「あのさ……15年前,インターネットは現実世界からの逃避先だったじゃん.いまは,現実世界の方がインターネットからの逃避先だよね.」 すると Dayv が,「それ,ツイートしなよ!」 ――で,そうした.この凡庸な所見が,ものすごくウケた.他のどのツイートよりも人気だ.ウェブのあちこちのコンテンツ工場で,これが無限に引用されつづけてる. あの他愛ない所見が,どうしてここまでたくさんの人たちに響いたんだろう? いま,インターネットから逃げ出す必要が感じられる理由は,わかりやすい.スマートフォンによって,インターネットが物理的

    ノア・スミス「インターネットは断片化したがっている」(2022年12月17日)
    cupeytan
    cupeytan 2023/01/16
  • ウクライナ戦争の解決の為のドイツおよびヨーロッパのベストオプション (2022年4月26日)

    Tilman Eichstädt,  bbw Hochschule Berlin サプライチェーン・マネジメント教授 2022年4月26日 原文リンク 概要:ドンバス地方やウクライナの他の地域の町々がウクライナ戦争の第二段階にさらされる中、ドイツや他のヨーロッパ諸国はロシアの侵略への効果的な対応策を見出すのにいまだ苦慮している。コラムでは、交渉分析(negotiation analysis)や非協力ゲーム理論を用いて、輸入税や関税が紛争期間を左右する非常に有効な手段となりうることを主張する。これらを明確な段階的アプローチで実施すれば、ロシア戦争を終わらせる時間的圧力を高め、さらなる行動の信頼性を高めることができるだろう。 編集部注:このコラムは、戦争の経済的影響に関するVox討論会(https://voxeu.org/debates/economic-consequences-war)

    ウクライナ戦争の解決の為のドイツおよびヨーロッパのベストオプション (2022年4月26日)
  • ジョセフ・ヒース「100マイルストアまで78マイル運転する:地産地食、オーガニックフード等、左派の食への奇妙なこだわりについて。『啓蒙思想2.0』没原稿より」(2015年2月24日)

    ジョセフ・ヒース「100マイルストアまで78マイル運転する:地産地、オーガニックフード等、左派のへの奇妙なこだわりについて。『啓蒙思想2.0』没原稿より」(2015年2月24日) エントリ名、カントリーソングの曲名になるかもしれない。私には、クリーモアにある〔地産地消の品を販売している〕100マイルストアで買い物するのが大好きな友人が沢山いる。100マイルストアは、ロウカヴァー〔地産地消を実践している人〕にとって天国のような場所だ。ご存じかと思うが、友人らは皆トロントに住んでいるので、〔都会在住で環境に悪い生活をしていると〕からかうのを私は酒の肴にしている。すると、友人らは、トロントの市街地から78マイル離れた100マイルストアまで車で出かける。まあ、78マイルは正確ではないが…。友人らは大抵、スキー等で田舎に行く時に、100マイルストアに立ち寄っている――なので、余分に10~20マ

    ジョセフ・ヒース「100マイルストアまで78マイル運転する:地産地食、オーガニックフード等、左派の食への奇妙なこだわりについて。『啓蒙思想2.0』没原稿より」(2015年2月24日)
  • ジョセフ・ヒース 「規範的な社会学(normative sociology)」の問題について (2015年6月16日)

    Posted by Joseph Heath 先週のエントリでは,現代の大学界隈に見られる多種多様なふるまいをジャーナリストたちがひとしなみに「ポリティカル・コレクトネス」の一語でくくってしまいがちだとぼやきました。「古典的な」ポリティカル・コレクトネス-たとえば言葉狩り-の問題はすっかり廃れているのですが、それとは別の困った傾向が潮流として存在することを述べたのです。今週はその続きとして、私たち(物事を分類するのが大好きなのです)が「規範的な社会学(normative sociology)」と呼んでいる、やはり少々問題がある慣習について書こうと思います。 この「規範的な社会学」というコンセプトの由来は、ロバート・ノージックが「アナーキー・国家・ユートピア」の中で軽い調子で書いたジョークです。「規範的社会学、つまり『何が問題を引き起こしている”べき”なのか』、の学問がわれわれ全員を魅了する

    ジョセフ・ヒース 「規範的な社会学(normative sociology)」の問題について (2015年6月16日)
    cupeytan
    cupeytan 2019/01/24
    “左翼は、実際の問題を特定しながらそれを間違った原因に帰着させてしまったため、政策としての解決策を提示することが難しいということになったのだ。”
  • ジョセフ・ヒース「保守主義者へのアファーマティブ・アクション?」(2017年 11月9日) — 経済学101

    Joseph Heath, “Affirmative action for conservative academics?,  In Due Course, November 9, 2017. 2016年のエモリー大学にて、キャンパス内の諸々の歩道にチョークで書かれたトランプ支持派のスローガンを目にした一部の学生たちはとてもひどくトラウマを抱いてしまったために、それらのスローガンを「ヘイトスピーチ」の一種だとして調査するよう大学当局に要求した。大学全体がセーフ・スペースであるべきだという発想は、米国の2大政党の両方に対するいかなる支持の表明からも学生たちが隔離されるという事態を招く可能性を含んでおり、意見を自由に交換する場所としての大学という理念に対立するものであると多くの人から見なされた。同時に、自分たちの中にトランプ支持者が存在しているという事実がエモリー大学の学生たちをあれ程までに警

    ジョセフ・ヒース「保守主義者へのアファーマティブ・アクション?」(2017年 11月9日) — 経済学101
  • ジョセフ・ヒース「男の子差別文化」(2018年3月26日) — 経済学101

    Joseph Heath, “How our culture treats boys” (In Due Course, 26 March 2018) 子供たちが少し大きくなったので、以前ほどThe Children’s Placeで買い物をしなくなった。だが先日そこで買い物をすることがあり、我々の文化が男の子たちに向けて発しているメッセージの類が気がかりになった。The Children’s Placeが何か知らないひと向けにいうと、それは洋服屋だ。ウェブページの表示はいつも同じ。ページは真ん中で分かれ、女の子用が片方に、男の子用がもう片方にある。これはその時々にどんなものが男の子用と女の子用それぞれに売られているか比較するのに、そしてどんな思い込みが性別に付随しているのか考えるのに、都合がよい。 例えば、「グラフィックTシャツ」のセクションを見ると、女の子向けにマーケティングされているも

    ジョセフ・ヒース「男の子差別文化」(2018年3月26日) — 経済学101
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