『ぴったしカン・カン』『ザ・ベストテン』(ともにTBS系)、『ニュースステーション』(テレビ朝日系)など、数々の伝説的な番組を担当したフリーアナウンサーの久米宏さん(79)。今年10月に、自身の歩みを振り返った自叙伝『久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』(朝日文庫)を上梓した。 テレビ業界の常識や前提を覆し、革新的な手法で番組を作り上げていった久米さんはしばしば、“テレビを変えた男”と称される。いったい彼は、どのように番組作りに携わり、名番組を生み出していたのだろうか。久米さん本人に話を聞いた。(全4回の1回目/2回目に続く) 就活時はTBSとニッポン放送の2社を受験 ――長年メディアの第一線で活躍されてきた久米さんのキャリアのスタートは、TBSへの入社だったそうですね。 久米宏さん(以下、久米) 僕が就職活動をしていた当時は、大学の「就職部」を通して企業に応募しなけれ