5月も終盤に差し掛かり木々の緑が濃くなり始めた頃、少女は教室でいつものようにボーッとした頭で授業を受けていた。 いや、いつもなら本来は夢の中にいるのだが、つい5分ほど前に落ちる夢を見たためか体が痙攣したようにビクゥゥ!となって、机の上の物を辺りに落としたことで、数学の教師が投げたチョークがおでこに当り、中途半端に起きている次第である。 自分が悪いのだが、くだらないことで怒られて余計に授業の内容が頭に入らない。 そんなわけで帰りに買い食いをどこでしようかと思案している最中なのであった。 しかしながら高校生の身の上、親からもらうお小遣いもラスト10日ぐらいだから考えて使わないとである。 授業の三次方程式そっちのけで少女は、自分の財布の所持金を御破算で願いましてはと数え残り日数で割り、昼ごはんはパンと水道の水にすれば乗り切れそうだと喜んだ途端、再度数学教師から放たれたチョークが少女のおでこに当た
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