これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/05/22メディア: 単行本購入: 483人 クリック: 15,840回この商品を含むブログ (586件) を見る 本書はNHK教育テレビで放映中の「ハーバード白熱教室」の基となっている本です。学生に様々な立場で議論を闘わせるスタイル講義に比べて、サンデルの主張がストレートに書かれているので、サンデルの主張を理解するには大変分かりやすくできています。功利主義、リバタリアニズム、リベラリズムを明快に批判的に分析し、コミュニタリアニズムの立場へとつなげていく論理展開は見事としか言いようがありません。以下、本書におけるサンデルの主張を私なりになぞってみたいと思います。 サンデルは、正義論は「幸福の最大化」「自由の尊重」