2019年にノーベル経済学賞を受賞した2人(マイケル・クレーマーも同時受賞)による経済学の啓蒙書。2人の専門である開発分野だけでなく、移民、自由貿易、経済成長、地球温暖化、格差問題と非常に幅広い問題を扱っています。 著者らが得意とするのはRCT(ランダム化比較試験)を使った途上国での研究で、本書もマクロ経済学の理論に対して、ミクロ的な視点から「本当にそうなのか?」と問い直すものが多いです。 経済成長に関する部分など、意見が分かれる部分もあるかとは思いますが、全体を通じて非常に面白く、刺激的な内容になっていると思います。 目次は以下の通り。 1 経済学が信頼を取り戻すために 2 鮫の口から逃げて 3 自由貿易はいいことか? 4 好きなもの・欲しいもの・必要なもの 5 成長の終焉? 6 気温が二度上がったら… 7 不平等はなぜ拡大したか 8 政府には何ができるか 9 救済と尊厳のはざまで 結論