02<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>04 また一つ、珠玉の作品に出会えた。 ページを捲る毎に震える。 張り詰めた空気に息苦しささえ覚える。 その空気に美しささえも感じ、そしていつの間にか深く引き込まれている。 そこはとんでもなく情熱的な世界。 「ちはやふる」 百人一首の歌の一つであり、在原業平が詠んだ歌。 その歌の、はじまりの言葉。 それは主人公である「千早」の名前と一緒の言葉だったのだ。 数奇な偶然が、少女の運命を捉える。 そしてその少女は、その美しき世界へと魅せられて行く。 競技かるた。 千早は、一人の少年との出会いによってその世界を垣間見る。 それは自分が知る“もの”とは全く別物だった。 これは単なるカードゲームの類じゃない。完全なる激しい“スポーツ”だと知る。 単なる反射神経などの身体能力のみの勝負