年金記録をめぐる問題で、50歳以上の厚生年金加入者と受給者のうち、コンピューターで管理している年金記録と原簿の紙台帳の内容が一致していない人が8・1%に上っていることが14日、日本年金機構のサンプル調査で明らかになった。 同機構では「厚生年金の加入者・受給者全体で、100万人前後が原簿と一致していない可能性がある」とみている。年金記録の不一致がこれほど大規模に生じているとの調査結果が公表されるのは初めて。記録問題が予想以上に深刻化する恐れも出てきた。 政府は今年10月から、年金記録問題への対応策の柱として、厚生年金と国民年金の紙台帳の記録約9億5000万件のうち、重複などを除く約7億2000万件に対し、4年間かけて人海戦術でコンピューター上の記録と照合する作業に乗り出している。今回のサンプル調査はその一環で実施された。