【パリ=山口昌子】世界の古典文学の最高傑作とされる紫式部の「源氏物語」の仏語版豪華本(翻訳・ルネ・シフェール)がこのほど、フランスで出版された。12−17世紀の絵巻やびょうぶ絵など520点の絵画が収録された全3巻1256ページにのぼる大書は、源氏物語の名が「紫式部日記」に記されてから1000年、日仏修好条約150周年、京都・パリ姉妹都市50周年にあたる来年を飾るのにふさわしいといえそうだ。 仏語版「源氏物語」を出版したのは世界の傑作を絵画入りの豪華版で出版しているパリのディアンヌ・ドゥ・セリエ出版。7年の準備期間を経て出版にこぎつけた同社のディアンヌ・ドゥ・セリエ社長は、「源氏物語は日本文化の繊細さや洗練さを示すのに最適。しかも女性によって書かれたというのは驚きだ。この本によってフランス人の多くが日本文化の素晴らしさに接してもらいたい」とうれしそうだ。 「源氏物語」を同社の豪華本シリーズに