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ブックマーク / honz.jp (13)

  • 『ミャオ族の刺繍とデザイン』深い祈りと神話の世界を身に纏う - HONZ

    中国大陸の南西部を中心に定住する少数民族・ミャオ族。かつては稲作の民として知られたが、気象変動や土地争いなどにより今は山の民として暮らしている。 そんなミャオ族には日人のルーツではないかという説があったり、自然を崇拝していたり、納豆をべていたりと、知れば知るほど親近感のわく存在なのだが、刺繍・染め・織といった女性たちの手仕事にも定評があり、そのレベルの高さには驚かされる。

    『ミャオ族の刺繍とデザイン』深い祈りと神話の世界を身に纏う - HONZ
    d4-1977
    d4-1977 2016/04/02
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  • 無常のブルー『TRUK LAGOON トラック諸島 閉じ込められた記憶』 - HONZ

    深遠な海の中に身を沈めれば、無重力の浮遊感。 目の前には鮮やかな魚達が横切り、好奇心旺盛なイルカや色とりどりのサンゴ礁、人間よりも遥かに大きく愛嬌のあるマンタやジンベエザメなど。ダイビングは、陸上では味わえない世界を堪能できる。 一方、太平洋戦争時の旧日軍の重要拠点であるミクロネシア連邦チューク州。旧トラック諸島と呼ばれたこの地は空襲により2日で壊滅した。現在、存在するのは戦火に撃沈した戦艦や商船。チューク島はいま大きく変化している。 書はトラック空襲により海に沈んだ船にフォーカスした写真集だ。商船として生まれながらも、徴傭された軍用船や戦艦、米国のトラック大空襲で沈んだもの40隻余。それらを水中写真家である著者が9年の間撮影し、少しずつ記憶を紡いできた。 著者は水中写真家、古見きゅう。日経ナショナル ジオグラフィック写真賞にて優秀賞を受賞。世界を旅し、一年の3分の2は海に潜っていると

    無常のブルー『TRUK LAGOON トラック諸島 閉じ込められた記憶』 - HONZ
  • 目指せデータ駆動型社会(not ディストピア)──『ソーシャル物理学』 - HONZ

    人々の行動を支配しているルールは存在しているのか。 組織での情報はどのように広がり、どのようにしてアイデアは広がっていくのか。創造的な社会構造を指し示すことは可能なのだろうか。これまでのところ、人間の行動は自由意志によってコントロールされており予測することは困難だというのが常識だった。 社会物理学とは何か その状況が今、変わりつつある。近年はメールが、SNSが、身体に装着する記録機器が、さらにはそこで集めた膨大なデータを処理し、傾向を導き出すシステムが整ってきた。書はその「現代だからこそ可能なこと」を最大限活かした実験結果によって成立している「社会物理学」だ。社会物理学とは、『情報やアイデアの流れと人々の行動の間にある、確かな数理的関係性を記述する定量的な社会学である。』と書では述べられている。 それは実際どのようなものなのか? たとえば、「あなたの今の気持ちを5段階で評価してくださ

    目指せデータ駆動型社会(not ディストピア)──『ソーシャル物理学』 - HONZ
  • 『ソーシャルマシン』-翻訳者の自腹ワンコイン広告 - HONZ

    作者:ピーター・センメルハック、小林啓倫(翻訳) 出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 発売日:2014-04-09 いきなりですがクイズです。「M2M」とは何のことでしょうか?そして「IoT」とは? 実はいずれもITに関する専門用語で、「M2M」とは「マシンツーマシン(Machine-to-Machine)」を略したもの。文字通り機械同士が(ネットワークを介して)情報をやり取りし、様々な制御を行うことを指します。例えば自動販売機に通信機能を持たせ、商品の売り切れを感知して補充依頼を送信するようにしたり、エレベーターや複合機などの故障を遠隔で監視したりといった事例が既に生まれています。 一方「IoT」とは「モノのインターネット(Internet of Things)」の略で、M2Mと似た概念なのですが、世界中の様々な物体がネットワークに接続し、それらとインターネットを介して

    『ソーシャルマシン』-翻訳者の自腹ワンコイン広告 - HONZ
  • 『今日の総理』 - HONZ

    土曜日の午後6時台はTBSの「報道特集」が企画でコケると視る番組がなくなる。「人生の楽園」にまではまだ早いし、釣りにロマンを感じるたちではない。そこでNHKの「週刊こどもニュース」を視てしまうことがある。とりわけ池上彰が担当していた当初はよく視ていた。 ボクは池上彰のファンだ。小難しい言葉でしか説明できない解説者や、小難しい言葉を使わなければならないことについては説明しない解説者とは大違いだ。言葉にセンスがある。子供は大人と違い、良い意味で頭が凝り固まっていないので、意外に行間を読めるものだ。池上はその間合いを知っているのだと思う。 書は朝日新聞の2面に毎日掲載される「首相動静」について解説したものだ。32年間の記事から200日分ほどをピックアップしている。政治家についてのはとかく皮肉や悪口雑言だらけなのだが、書はそれとは異なる。淡々と記事を解説しながら、時代や政治政治家について考

    『今日の総理』 - HONZ
  • 『値段から世界が見える!』新刊超速レビュー - HONZ

    海外旅行に行くときに気になるのは、気候や気温、安全性やお国柄、もうひとつ重要なのが物価である。そこならではのお土産が買いたいし、できれば町の堂でご飯もべたい。屋台では何を売っているのだろう、とか、マクドナルドやケンタッキーなど、日の味と比較もしたい。もちろん、ガイドブックをみれば大まかなところは分かるけれど、一目で比較が出来たらいいのに。 長年、そんなが欲しいと思っていたのだが、最新情報を記したを見つけた。世界20か国に長期に住んでいる日人が、生活にかかるコストやその国ならではのお金の使い道をかなり詳しく説明してくれる。 紹介されている国は、オーストラリア、スウェーデン、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、韓国、ポーランド、ケニア、アフガニスタン、アラブ首長国連合、インド、中国、ペルー、カナダ、ウズベキスタン、スイス、アメリカ。 基準となる品物は、ビッグマ

    『値段から世界が見える!』新刊超速レビュー - HONZ
  • 『群れのルール』 プレジデント9.13号 新刊書評掲載 - HONZ

    書の骨子は、ネット時代には新しい経営学や組織論が有効であり、そのためには生物学の知識が役に立つというものだ。しかも、この場合の生物学とは、個体の研究ではなく、群れとしての生態を観察することだというのだ。 例をあげてみよう。5つの選択肢をもつ超カルト・クイズを考えてみる。回答者は5つのうち、どれか1つだけは不正解であることを知っていることにする。個人が正解する確率は25%だ。 しかし、集団の正解率は100%近くなるはずだ。正解だけは20%以上の得票を得るからだ。つまり、集団の中から正解を出せる人を選ぶのではなく、集団として意思を決定させれば、正解率は跳ね上がることになる。 ネット時代にはそのような意思決定が、会社のような組織においても、社会レベルでも瞬時にできるようになった。 書は前半で、サウスウェスト航空の予約システム戦略、赤アリの組織的行動、産業用ガス会社の生産・配送システム、ミツバ

    『群れのルール』 プレジデント9.13号 新刊書評掲載 - HONZ
  • 『IKEAモデル』 - それはモデル演繹型の経営。 - HONZ

    IKEAモデル―なぜ世界に進出できたのか 作者: アンダッシュ・ダルヴィッグ, 志村 未帆 出版社: 集英社クリエイティブ 発売日: 2012/11/26 低価格の北欧風デザイン家具販売店として、グローバルで成功を続けるIKEA。書『IKEAモデル』は、2009年までCEOを務めた著者が、その経営モデルを網羅的に綴ったものだが、読んでみて非常によく分かった。「IKEAモデル」とは、要するにコスト削減の王道を極めることなのだと。 王道は、極論すればつまらない。でも、王道の完遂は決して容易ではない。IKEAはそれを、一切ぶれることなく完遂してみせた。そして、いまやその王道は「IKEAモデル」というイノベーションにまで昇華した。それこそがきっと、IKEAの真の凄みなのだ。 具体的にみていこう。 出発点はIKEAの理念だ。それはシンプルなワンフレーズに、見事に集約されている。 「より快適な毎日を

    『IKEAモデル』 - それはモデル演繹型の経営。 - HONZ
  • 『錯覚の科学』 解説 - HONZ

    文藝春秋編集部の了解を得て、書の付録である「解説」を全文掲載します。解説というよりは要約のようになってしまうのは、ボクの書評の味です。しかし、体はこの要約をはるかに超えていますからご安心を。 ——————————– 心理学や脳科学という学問は、物理学や数学などに比べると、どこか胡散臭く感じてしまう。理論が数学で表現できないということだけでなく、バラエティ番組で取り扱われるようなお手軽さと、一部の専門家のたくましい商魂に呆れるからだ。何十年も前から、親しみやすい風貌をした何人もの専門家がテレビに登場しては「頭の体操」、「脳トレ」、「アハ体験」などと称した自著やゲームを売りまくってきた。 そんなに効果のあるものであれば公教育でも取り上げられる可能性があるはずだし、むしろ効率をもって旨とする学習塾や社員教育などでとっとと使われているはずだ。しかし、脳トレやアハ体験のおかげで事業に成功したり、

    『錯覚の科学』 解説 - HONZ
  • 手づくり印刷『レトロ印刷の本』 - HONZ

    オフセットなど印刷技術が発達したおかげで、今ではポスター・チラシ・名刺など業者に発注すれば美しく仕上がる。ところが、この流れとは全く逆に進むやり方があった。 大阪にある印刷会社「レトロ印刷JAM」が提案するレトロな風合いを可能とする「レトロ印刷」。この印刷方式だと色落ちはする、裏面には透ける、精密な写真の描写もできないなど多くの制限があるのだが、その代わり一枚とて同じ仕上りのない味わいあるオリジナル印刷ができる。 書はレトロ印刷で仕上げた名刺・フライヤー・トランプなど作品例166点を紹介している。味わい深い色使いは眺めていてほっこり和むし、なにより「印刷って楽しいな」と思えてくる。途中に挟まれているニシワキタダシ氏のコミカルなイラストも雰囲気が最高にハマっており、ちょいと登場するおじさんも可愛らしい。 レトロ印刷の原理は孔版印刷機(リソグラフ)を使った簡易印刷だ。よく目にする雑誌やポスタ

    手づくり印刷『レトロ印刷の本』 - HONZ
  • 『スタンフォードの自分を変える教室』≒意志力の科学 - HONZ

    このレビューの最中はシロクマのことを考えないようにしてください。 そんなことを言われなくても、シロクマのことなんて普段から意識したことないし、考えたことなんてないよ。と、読んでいる人の大半が思っているに違いない。それならなおのこと、シロクマのことを考えないで、この先のレビューを読み進めてください。 このはスタンフォード大学の人気講座である『意志力の科学』をもとに作られたである。このが発売以来飛ぶように売れている。そんなにみんな自分の人生を変えたいと思っているのだろうか?などといいながら、自分も買って、こうしてレビューを書いているのだから、人のことは言えないのだけれども……。 『スタンフォードの自分を変える教室』 というタイトルをみると、ただの自己啓発書のような感じがするが、このはそうではない。原題は『The Willpower Instinct』直訳すると「意志力の能」だろうか。

    『スタンフォードの自分を変える教室』≒意志力の科学 - HONZ
  • 『 アメリカの毒を食らう人々』 - HONZ

    久しぶりに仰天した。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』を読んだときも、見えざる毒物の恐ろしさに体が震えたが、このはさらに悪質な毒物を意図的に放置しているアメリカという国を告発している。 たとえばノースカロライナのキャンプ・ルジューン海兵隊基地では70年台の終わりから動物たちが死にはじめ、やがて海兵隊の家族たちはガン、先天異常などの多発に悩まされる。原因は軍による過塩素酸塩を含むロケット燃料の敷地内不法投棄であり、地下水に依存した上水道システムにある。この毒物は2004年時点でもアメリカの35州の飲料水で検出されているという。 中国の環境問題と比べると被害人口的には無視できる規模かもしれないが、将来アメリカ軍が支払う可能性のある医療費を考えると、将来の軍事バランスに影響を与えかねない規模である。 書ではこれ以外にも予防接種ワクチンに含まれるチメロサールという物質が自閉症の原因物質であるこ

    『 アメリカの毒を食らう人々』 - HONZ
  • 『ダチョウ力』 - HONZ

    久しぶりのブログ強力お勧めである。著者は子供のころから鳥に魅せられた、根っから動物好きの研究者である。研究テーマはもちろんダチョウだ。書はこの不思議な生き物を人類の役に立てようとする熱血研究物語なのだ。 これまでウサギやラットを利用して作られる抗体は1グラムあたり数億円もしたという。ところが、驚くべきことにダチョウを使うと1グラムあたり10万円になったというのだ。原理的には無毒化した病原体をメスのダチョウに注射し、生んだ卵の黄身に含まれる抗体を分離するのだ。 事実この抗体を塗布したマスクが20枚入りで6000円くらいで販売されはじめた。抗体とは病原体が体に進入したときに作り出される物質だ。これをあらかじめ体内に仕込んでおくことで、病原体を不活性化することができるのだ。たしかに安価になることで人類の救世主になるかもしれない。 ところで、ダチョウは驚異的に病気や怪我に強いのだという。また

    『ダチョウ力』 - HONZ
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