5月下旬に横浜で開催された「人と車のテクノロジー展」。期間中に9万人近い自動車業界関係者らが訪れた会場で、自動車部品メーカーなどに混じって、大きなブースを構えていたのが大手化学メーカーだった。各社は汎用の石油化学から付加価値が高いスペシャリティケミカル(機能性化学)へのシフトを進めており、中でも自動車関連を共通して重点強化分野に位置付けている。 「世界を見渡しても、これだけ多くの素材を提供できる化学メーカーはほかにない。グループの総合力を活かして、自動車ビジネスをさらに大きく伸ばしていきたい」。同展示会場のブース横でそう語ったのは、三菱ケミカルホールディングスの石渡直明・自動車関連事業推進センター長だ。 三菱ケミカルは幅広い商材を一括で売り込み 三菱系の素材3社(三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン)が経営統合した同グループは、幅広い素材・材料技術を有するいわば“化学業界の百貨店”。自動車関連