東大は、すぐれた功績を上げた個人や団体に総長賞を授与している。昨年度の受賞者たちは何が違うのか、その秘密に東大改革のカギがある。 ■青木翔平さん(28) 大学院工学系研究科博士課程修了 「異文化と衝突 途上国支援の道が見えた」 工房の作業台に残された削りかけの機械部品。 青木翔平さんは、思わず苦笑いした。男子生徒に「この部品、削っといて」と言い残してその場を離れ戻ってみたら、生徒は家に帰った後だった。 3月に博士課程を修了した青木さんは、西アフリカ・ガーナの工業高校で技術を教えていた。貧困問題が根深く残るガーナの課題は、雇用を生み外貨を稼ぎだす製造業の育成。青木さんはこの地で起業家や技術者を育てるビジネスをゼロから立ち上げようとしている。 「今日までに」と言ったことが明日、あさってになるのはざら。しばしば起こる停電の間は扇風機も止まり、汗だくで作業する。日本の常識は通用せず、