自分や他人を傷つけたり、物を壊したりといった行動が、高い頻度で起きる障害を「強度行動障害」と呼ぶ。家庭だけでは十分な対応ができないため、施設やヘルパーなどから特別な支援が必要となることが多い。この障害のある男性が、福井にいる。男性を20年以上支える両親の話から、福祉制度の”はざま”を生きる家族の疲弊と葛藤が浮かび上がってきた。 強度行動障害の息子と向き合う家族 平田大悟さん: 任せる、分かった、どうぞ。ダメ! 平田大悟さん この記事の画像(12枚) あわら市の障害者支援施設に通うのは、福井市の平田大悟さん(24)。施設に来ると会いたい職員を探し、挨拶をするのが日課となっている。見つけるとうれしそうに顔を近づけ、両手を握る。 大悟さんの自宅の床には穴が開き、障子は破れている。壁には多くの落書きもある。 父親の英樹さん 父親の英樹さん: ここはガラスだったのですが、何度も割るのでアルミの板に替