将棋プログラムは、人工知能を学ぶのにぴったりな題材です。コンピュータに将棋の指し手を考えさせるには、第2回で説明した昔ながらの記号処理的人工知能から最近の機械学習まで、幅広く使う必要があるためです。それよりも何よりも、将棋という題材は楽しく盛り上がります。 前回までは、人工知能の定義や分類、向く仕事と向かない仕事、人工知能の歴史を見てきました。今回からはいよいよ人工知能のプログラミングとして、将棋プログラムをつくってみることにします。 様々なゲームの中から将棋を選んだのは、将棋が日本人に親しまれているほか、本将棋からミニ将棋まで幅広い種類があり、適当な難度の将棋を選択できるからです。たとえばミニ将棋であれば、研修の中でプログラミングできる難度です。後日、ミニ将棋を使った研修の事例を紹介する予定にしています。 将棋自体のルールはここでは紹介しませんが、将棋が他の盤上ゲームと比べてどのようなゲ