巨大クレーン3台が偉容を誇る三菱重工業長崎造船所。激化する船舶の受注戦争での生き残りをかけるため、設計技術者らの集約が行われた 三菱重工業が、造船部門で設計技術者約500人を長崎造船所(長崎県飽の浦町)に集約したことが話題を集めている。平成27(2015)年に世界の造船会社の建造能力が需要の3倍以上に達するとの予測があるなか、国内3カ所に分散していた設計者を1カ所に集め、今後求められる燃費向上など船舶の設計能力を高めたい考え。激化する韓国や中国との受注競争に対し、有効な生き残り策となるか注目される。激減する船舶受注 同社ではこれまで、大型船舶を長崎、巡視艇など艦艇を下関(山口県)、自動車運搬船などを神戸の各造船所で建造。このため、設計技術者もそれぞれの造船所に所属していた。 しかし、リーマンショックに見舞われた平成20年秋以降、世界の船舶発注は激減。同社でも平成21年度上期まで一般商船の新