印刷 「馬鹿のいないロシア」――。そんな名前のインターネットサイトをメドベージェフ大統領が開設する方針だ。官僚主義的な公務員や行政機関を国民に告発させるのが目的だが、下院選をめぐる与党の不正疑惑などで高まる政権批判をかわそうとする意図も透ける。 複数の地元メディアが報じたところによると、サイトは間もなく開設されるという。利用者は公務員や行政機関のひどい仕事ぶりを実名を挙げて投稿。サイト運営側が投稿データに基づいて地域ごとに「馬鹿の平均値」を算出し、公表するという。悪質な場合は罰則も検討されている。 ロシアでは公務員の非効率で官僚主義的な仕事ぶりが問題となっている。行政手続きが複雑で時間がかかり、賄賂の授受も珍しくない。ソ連時代からの悪弊とも言われている。 サイト開設の背景には、与党による下院選の不正投票疑惑や、プーチン首相とポストを「交換」することへの批判を「官僚たたき」でかわす狙