「身体拘束が嫌なら他の病院へ」という医師高齢の家族が病院に入院したとき、「身体拘束への同意書」にサインを求められたことはないだろうか。先日、筆者の親族が入院した際には、「高齢の患者は認知症がなくても入院すると混乱して点滴を抜いたり、骨折の手術後で歩けないのに歩こうとしたりすることがある。その際には、安全のため身体拘束の必要が生じることがあるので、同意書にサインしてほしい」と言われた。 「サインしたくないと言ったら、どうなるのか」と聞くと、担当医から「そういう方には他の病院に行っていただくことになる」と言われた。 身体拘束とは、歩き回らないようベッド柵に手や足をひもで縛ったり、車いすから立ち上がらないよう抑制帯や車いすテーブルを付けたり、気分や行動を落ち着かせるため過剰に向精神薬を投与したりすることなどを指す。 筆者は過去10年間、認知症を持つ3人の人の成年後見人を務めてきた。その間に被後見