「人と人の間にあるような善意は、会社と会社の間には存在しないと思っていた。だが今回の震災で、会社間にも善意があるのだと初めて分かった」。JTBグループ(以下JTB)のIT戦略を統括するJTB情報システムの野々垣典男常務取締役 経営企画部長はこう語る。 5月30日、野々垣常務はOKIの川崎秀一社長を表敬訪問した。「有事の際にOKIは助けてくれました。御社の働きがなかったらコールセンターは開設できませんでした。感謝いたします」。野々垣常務は川崎社長に丁寧にお礼を述べた。今回の震災対応をきっかけに、JTBは、OKIとの取引を拡大する予定だ。 JTBにとって、OKIはメインベンダーではなかった。コールセンターなど小規模なシステムを発注していた程度だ。だが、JTBのコールセンターの一部が機能しなくなったことを聞いたOKIは即座に駆け付け、夜を徹して臨時のコールセンターの設置に協力し続けた。 「今回の
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