私はかつて、広告代理店に勤務していた。 美容を扱うこともあって、まぁキラキラしている。しかも7割は女性である。 私はその会社の営業部隊に属しており、最も「キラキラ」を求められるところにいた。 そこに勤務する営業の女性には、暗黙のドレスコードがある。 ネイルはバッチリ、まつげはエクステ、髪はいつも整えられ、メイクは派手過ぎずトレンドを抑えないといけない。 金も手間もかかるのに、みんな好きでやっているので苦ではない。 もちろん貯金は0円だ。 一方、営業の男性はというと、ここぞとばかりにチャラい。 大体にして肌が黒い。8割が渋谷の日サロに通っている。 刈り上げ、またはパーマをかけた黒髪に、程よく鍛えられた肉体を誇る。 冬には、黒のタートルネックに灰色のノーカラージャケットを羽織っちゃう系のチャラさである。 そんなわけなので、ご想像の通り私の部署はとにかく年齢層が若かった。 ほとんどの上司は20代