英語の教科書の英文というのは、必ず日本語に全文翻訳されるという点で英文として極めて特殊な要請をされる。特に中一の教科書にはその必要性が高い。 この点、三省堂の New Crown には首をかしげる文が多いように思う。「英語の文」としては確かに初歩的でごくふつうの文を使っているのだが、日本語に訳すに当たって厄介が生じる文が頻発するのだ。まるでアメリカ人が作っているかのようだ。 私は塾で中学生に英語を教えている。その中で、毎日この教科書の不備が鼻についてならない。なぜこんな教科書が検定を通過して広く用いられているのか(私の塾のある自治体では一括してこの教科書を採用している)、不思議に思うほどである。 以下に、具体的にどんなところが問題なのか列挙していこうと思う。 Lesson 2 What is this? It is a face. Yes. It is a ghost too