ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。 ぼくは思わず安堵のため息をつき、隣に座った東海林さんに囁いた。 「遅かったですね。何かわかりましたか?」 「ああ」東海林さんはそれだけ答えると、手を上げた。「すみません、よろしいですか?」 五堂テクノの和田広報課長は、演説を中断させられて不満そうな顔をしたが、野崎Div長が東海林さんにうなずいた。 「まあいいでしょう。和田さんはもう充分お話になったと思いますしね。お話を伺いましょうか」 東海林さんはカバンからA4用紙の束を取り出した。再び立ち上がると、神代記者に渡して、順に回してもらうように頼んだ。見たところカラー印刷されたソースのプリントアウトのようだった。 そのプリントアウトが会議室内に小さいが激しい嵐を呼び起こすことになった。 城之内さんは、不審そうな顔で、手元に配られたプ