2人乗りの二輪タンデム自転車が公道全般を走行できる地域が増えつつある。7年前までは長野県だけだったが、今年に入って2県が加わり、計10県に。後ろに乗る人はハンドルを操作しなくてすむため、視覚障害者らの行動範囲を広げると期待されるが、安全面を不安視し、「解禁」に慎重な自治体もある。 10月中旬、兵庫県の淡路島。海沿いの道を9台のタンデム自転車が駆け抜けた。NPO法人「サイクルボランティア・ジャパン」が開いたイベント。後部座席に視覚障害者や知的障害者が座り、ペダルを懸命にこいでいた。 全盲の飯田育生(いくお)さん(52)は浜松市から参加した。「風を感じられるのが魅力。1人では行けないところに、みんなで行けるのが楽しい」と声を弾ませる。地元の静岡県では「安定性がある」(県警)として三輪のタンデム自転車なら公道を走れるが、「二輪の方が軽くて乗りやすい」と飯田さん。折りたたみの二輪タンデム自転車を持