認知症早期治療に励み、MCI(軽度認知障害)から回復基調にあると思い込んでいた山本朋史記者がまた失敗した。講演に行った先で、自分がどこにいるのかわからなくなって30分以上も「徘徊」したのだ。症状が進んだのか。不安は膨らんだという。 * * * 先月、「ボケてたまるか!認知症早期治療に取り組んで」という講演をするため、神戸市に行った。認定NPO法人「認知症予防ネット神戸」からの依頼だった。本誌で2度の連載をして以来、こうした声がかかることもたびたびある。ぼくは同じ悩みを持つ人の力になれるのならばと思って出かけた。 新幹線で東京から新大阪まで行き、在来線に乗り換えてJR住吉駅へ。そこから徒歩5分の「コープこうべ生活文化センターホール」が会場だった。せっかちなぼくは予定より40分以上も前に住吉駅に着いた。駅まで理事長の伊藤米美さんが迎えに来ると言ってくれたが、目的地まで地図を見ながらぶ