柴田雅章さんは1948年、東京生まれの小田原育ち。大学在学中に民藝について知るうちに、丹波焼の魅力に惹き込まれ、卒業後に移り住みます。生田和孝さんから4年間の薫陶を受け、1975年に独立。登り窯を築きました。その数年後、憧れ続けた英国の古陶スリップウェアを手にしました。日本から遠く離れた西洋のものづくり。技法もわからぬまま試行錯誤を繰り返すことで手繰り寄せた美しさの秘密は、表面的な装飾ではなく、暮らしと仕事が一体になることで生まれる創作表現でした。日常のための実用的な器に必要な「眼と手」を、柴田さんは生活をともにした3名の弟子に伝えました。世の中にあまり多くは語られていない丹波焼について、魅せられたスリップウェアについて、そして自身の信念について、柴田さんに話をききます。 時代や賢人の暮らしに合わせながら 実用的な器を作り続けていまがある。 ―丹波焼の起こりについて、簡単に教えてください。