日本の社会システムをめぐる一つのパズル 日本の家族や女性の労働については、ひとつのパズル=解くべき謎がある。それは、比較的長期的なデータを見渡し、また他国との比較をすると見えてくる謎である。まずはそのパズルとは何なのかについて説明しよう。 しばしば、「日本社会には『男は仕事、女は家庭』という考え方が染み付いている」と言われる。同レベルの経済発展を成し遂げている西欧諸国と比較すればたしかにその傾向は見られる。 2012年の国際社会調査プログラム(ISSP-2012)データによれば、「男性の役割はお金を稼ぐことで、女性の役割は家庭の世話をすることだ」という意見に賛同(「強くそう思う」「そう思う」)と回答した人の割合は、日本で24.4%だが、フランスでは12.5%、スウェーデンでは5.8%など、より低い割合になる。 ただ、では日本は「専業主婦社会」をさぞかし長く経験したのかと思いきや、実はそんな
![なぜ日本では「共働き社会」へのシフトがこんなにも進まないのか?(筒井 淳也) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/083103f7f6942c426ed6297ae1a74fc952b60e38/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai.ismedia.jp%2Fmwimgs%2Fb%2F0%2F1200m%2Fimg_b0ce8cdf16b26d56bd8b884e91476db03973117.png)