「日本人は個性がない」 「日本人は、和を乱すまいとして、みな同じように行動する」 ほんとうだろうか? まわりの日本人を見わたしてみよう。「自己チュー」や「へそまがり」、「空気が読めない人」はいないだろうか? 引っこみ思案、目立ちたがり屋、瞬間湯沸かし器、一言居士……いろいろな人が居はしないだろうか? しかし、「日本人は、みな同じように考え、同じように行動するので、個性がない」というのは、今や世界の「常識」なのである。 「日本人は、集団の和を何よりも大切にするので、集団と一体化しようとするあまり、自分というものをなくしてしまっているのだ」――そう日本人論は繰りかえし説いてきた。 だが、科学的な研究は、この「常識」を真っ向から否定しているのである。 薄弱な根拠 そもそも、「日本人は集団主義」という「常識」は、科学的な研究から出てきたわけではない。 その「証拠」とされてきたのは、ほとんどが個人的
![「日本人は集団主義」という幻想(高野 陽太郎) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/966f9fbb2fe621d7e3d5c42a785e73963c828547/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fb%2Fa%2F1200m%2Fimg_ba7076f407ce367f186f85ec39a118ee549777.jpg)