1月30日、天皇陛下の退位をめぐる自民党の懇談会。座長の高村正彦副総裁が促した。「静かな環境」で議論するためメンバーを党役員中心の14人に絞ったが、想定以上に「静か」だったからだ。 そこで野田毅・元自治相が口を開いた。「女性天皇の是非も話し合うべきだ」。党内最多の当選15回という大ベテランで、党役員ではない唯一の懇談会メンバー。ところが、発言を促したばかりの高村氏は「この場ではやらない。収拾がつかなくなる」と制した。 女性・女系天皇の議論は皇室典範改正につながる。安倍晋三首相の意に沿わないことが明らかな意見は封じる――。野田氏を巡っては、消費税率を10%へ引き上げる際の軽減税率導入にも慎重姿勢を続けて公明党と対立し、2015年10月に党税制調査会長を更迭された過去もある。石破茂・前地方創生相は「物を言った人間は決して厚遇されない。『重鎮』と言われる人が官邸の意向一つで代われば、党内は震え上