米国の外交安保政策をめぐり、ブッシュ政権の当事者たちが回顧録を通じて活発に論を戦わせている。 ブッシュ大統領やラムズフェルド国防長官(いずれも当時)らの回顧録に加えて8月末、チェイニー副大統領が「私の時代」を出版した。続いて11月には、ライス国務長官の「最高の栄誉」が世に出た。 中でもライス氏の本は、出版社が「驚くべき率直さ」と銘打った通りで、イラク、アフガニスタン、中東和平、ロシアのグルジア侵攻などの重要場面で外国首脳や要人らと交わした会話が直接引用形で次々に登場する。読んでいて「ここまで書いていいの?」と思うほど生々しい。 相手が故人ならまだしも、存命の指導者たちにとっては「チョー危ない暴露本」といえなくもない。 2008年秋に訪問したリビアでは、カダフィ大佐との会談の条件として2人だけの晩餐(ばんさん)に招かれた。ライス氏の写真を収集したアルバムを何冊も見せられ、同国の作曲家に作らせ