「TR-808、JUPITER-8、DTM、MIDIを生んだ梯郁太郎氏が死去」の記事を日曜日の深夜に書き上げて公開した。電子楽器の巨星についての、日本のメディアとしては一番早い報道となり、大きな反響を呼んだ。ただ、この追悼記事は、この私的連載「立ちどまるよふりむくよ」のいくつかをまとめたものにほとんど近いというのが実情だ。梯氏が送り出した製品がぼくのちっぽけな人生にどれだけ大きな影響を与えてきたかの証でもある。 その記事に対する反響で興味深いものがいくつかあった。梯氏は電子楽器業界におけるスティーブ・ジョブズと見立てるものだ。客観的に見ても共通するものはありそうで、目的に到達する強い実行力、ビジョナリー、創業した会社の経営陣との対立。音楽制作の世界を、マシンで一変させてしまったというところもそうだ。 比較するのはどちらにとっても失礼だろう、との声もあるが、梯氏とジョブズ、Appleを結ぶ線
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