梅雨時に旬を迎えるマアジがおいしくなってきた。脂が乗った鮮度の良いものが多く出回るようになり、店頭で人気を集めている。 マアジは、季節を問わず出回る周年魚だが、6〜7月になると「夏の産卵期に備えて身に栄養を蓄え、一段とおいしくなる」と卸会社。産地で厳選された魚は「この時期、脂肪含有量が15パーセント前後あり、秋や冬に取れる魚の2倍以上にもなる」(漁業協同組合JFしまね)と、脂乗りはマグロのトロにも匹敵するほど。 魚の質は例年通り良いといわれるが、今年は春からの天候不順などが響き、主力産地の九州や山陰での水揚げペースがやや遅れ気味。東京・築地市場(中央区)の6月に入ってからの入荷量は日量平均70トンと昨年より1割ほど少ない。 ただ、梅雨時は消費が落ち込み、流通段階で在庫を抱えることもあるだけに、「今年は入荷がやや少ない分、漁獲直後の新鮮な魚を絶えず店頭に並べられる」(スーパー関係者)と