活発な火山活動が続いている北アルプスの立山・地獄谷(標高約2300メートル)で、水蒸気や火山ガスが地中から噴き出る噴気口の一部が1年間で大きく拡大したことが、気象庁などが行った調査で分かった。 火山活動の活発化で噴気量が増えた可能性があるが、原因については観測態勢が不十分でつかめていない。富山地方気象台は「ごく小規模な水蒸気噴火はいつ起きてもおかしくない」と指摘し、観測態勢の強化や噴火に備えた対策の必要性を訴えている。 気象庁と同気象台は今年9月2~5日、富山県室堂平の北側で地面からのガスの噴出が続いている地獄谷周辺の47か所の噴気口を調べた。その結果、2013年10月の前回調査時よりも噴気口が大きくなり、噴出した硫黄が人の背丈ほどの高さに積もった場所が確認された。噴出するガスの温度は約120度で、12年に行った調査と比べると20度程度下がっているものの、危険で近づくことができないため、噴