緑の芝生へと水しぶきを上げながら、そして立て続けにホームベース上のブルーシートへとヘッドスライディングを連発して、飛び込んでいった。 多くのチームメートが、ベンチなどから雨宿りしながら見つめ、爆笑をしていた。 9月16日、旭川スタルヒン球場での微笑ましい一コマである。快勝した試合後、今シーズン限りで引退する田中賢介選手が球場内を1周して、ファンの声援に応えた。その感動のセレモニーを終えた時だった。 田中賢選手の背番号「3」のユニホームが、またグラウンドへと姿を現したのだ。一気に沸く。ただ雨天なのに、サングラスをしている。田中賢選手のシンボルカラーのピンクのリストバンドを装着している。背格好も、相似。違和感があった方々も多かっただろうが、スタンドからの目視では田中賢選手本人だと認識していた方々が大半だろう。 もうタネ明かしも済んでいるので、ご存じだろう。田中賢選手に扮して、パフォーマンスを披