新型コロナウイルス禍でスポーツイベントが次々と中止になっている。 春の選抜高校野球も残念ながら中止の憂き目にあった。甲子園でプレーするのを楽しみにしていた子どもたちは気の毒だが、その一方で、当たり前のようにあったものがなくなったことで、これまで放ったらかしにされてきた様々な問題を、あらためてゆっくりと考える時間ができたのではないだろうか。 たとえばそのひとつが「野球界にはなぜ暴力が蔓延しているのか」という問題である。特に高校野球では、毎年のように暴力事件が報じられる。これは勝利至上主義の強豪校に限った話ではない。昨年12月、日本学生野球協会は高校の不祥事10件の処分を発表したが、多くは全国的に無名の学校だった。 野球には苦い思い出がある。 幼い頃から野球に夢中で、貴重な左利きということもあって、少年野球からずっとピッチャーだった。あれは中学2年生の時のことだ。新チームになって初めての試合で
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