「漆100%」のコップ作りに愛知の伝統工芸品・名古屋仏壇の漆職人が成功した。木の器に漆を塗る従来の漆器と異なり、完全に漆だけ。非常に薄く繊細だが、しなやかでガラスよりも丈夫という。「逆転の発想」から生まれた特許出願中の技法とは――。 一見するとプラスチック製のコップだが、手にすると光沢の深みに気がつく。厚さ1ミリほど。飲み物の冷たさが手に伝わる。冷酒に合う「うすはりグラス」の漆器版といえそうだ。 木や紙に塗る従来の漆器の製法では、薄くしようにも2ミリほどが限界だった。開発したコップは素地がないため、段違いの薄さを実現できたという。 「器の存在感がなく、飲み物の…