拾い集めた理髪道具をかごに入れ、客の髪を切る菅野マツ子さん=26日午前10時31分、岩手県陸前高田市、上田潤撮影 震災で店を失った理容師らが避難所や仮設住宅に出張して営業できるよう、厚生労働省が初めて規制緩和をし、第1号の出前散髪が26日、岩手県内であった。これまで店外ではボランティアの理髪しか行えず、再建に必要な生活の糧を得られなかった。宮城、福島県でも近く実施される。 理容師の菅野マツ子さん(61)は26日午前、自身が避難生活を送る岩手県陸前高田市の慈恩寺の本堂前で最初のお客さんを迎えた。 全壊した店の跡からハサミやバリカンを見つけ、避難所や被災者宅を回り手弁当で散髪を続けてきた。訪問理容では、1人1500〜2千円で営業をする。「生活を立て直す足がかりになりそうでうれしい」 最初のお客となった常連で被災者の熊谷芳正さん(59)は震災後初めての散髪。「肩まで伸ばそうかと思っていた