かつては日本にいなかった特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」の生息域が広がっている。大阪府高石市で1995年に初めて見つかった後、18府県で確認(国立環境研究所調べ)。専門家の調べでは21府県と更に拡大し、「国内に定着した」とみている。12日には佐賀県吉野ケ里町で県内2例目が確認された。かまれる被害も相次ぎ、福岡市では3日に高齢女性が呼吸障害などに陥った。海外では死亡例もあり、専門家は警戒を呼び掛けている。 福岡市東区のアイランドシティ(人工島)にある介護老人福祉施設。3日午前、1階の居室で靴を履こうとした80代女性入所者の右足指に激痛が走った。靴の中には背中に赤い模様が入った黒いクモ。入所者は全身の痛みや呼吸障害などを訴え、入院した。市は期限切れの血清しか備蓄していなかったが、投与したところ快方に向かったという。 福岡市によると、クモは市内では07年10月に人工島で初めて見つかった。今