東京電力は19日、福島第1原発の免震重要棟の前で、作業を終えて退去するためにバスを待っていた作業員2人の頭から、最大で1平方センチ当たり13ベクレル(国の管理基準は40ベクレル)の放射性物質が検出されたと発表した。免震重要棟前の空気中のちりを採取して測定した結果、放射性セシウムの濃度が東電の定める警報基準の約8倍に上昇しており、関連を調べている。 原子炉への注水や周囲の放射線量に変化はみられないという。2人は原発の入退域管理施設で頭を拭き、19日午前11時前に敷地を出た。2人とも内部被ばくはなかった。 東電によると、19日午前9時半ごろから、免震重要棟付近の放射性物質濃度の上昇を示す警報が鳴り、午前10時すぎには濃度がさらに上昇したことを示す警報が鳴った。このため移動式の測定器で免震重要棟前のちりを採取したところ、放射性セシウムの濃度が最も高い警報基準の8倍まで上昇したことを確認した。