【北京=矢板明夫】8日に開催される中国共産党大会を前に、軍の最高機関、中央軍事委員会の建物にあった江沢民前国家主席(前軍事委員会主席)の執務室が閉鎖されたことが中国の軍関係者の話で分かった。最近行われた一連の軍指導部人事で、胡錦濤国家主席と習近平国家副主席の側近が主要ポストを占め、江派だった将軍たちが引退。執務室の閉鎖は江氏の影響力低下を象徴しており、中国軍は今後、胡派と習派の2大勢力が対抗する構図に様変わりする。 江氏は2004年秋に党中央軍事委員会主席を退任したが、軍関係者によれば、中国のペンタゴンと呼ばれた中央軍事委員会の建物「八一大楼」の中に主席時代とほぼ同じ大きさの執務室を残していた。複数の専属秘書も配属されており、江氏は時々訪れ、現役の軍幹部や元軍首脳と面会するなどして、軍への影響力を行使していた。 しかし、最近、軍内の江派の存在感が急速に低下し、胡主席を支持する一部の軍長老か