フィリップ・トルシエに電話をしたのは、日本対クロアチア戦終了後、森保一、ズラトコ・ダリッチ両監督の会見を終えた直後だった。ドイツ、スペインを下してグループリーグを1位で突破した日本は、4年前のロシアW杯以上に目標であるベスト8に肉薄した。PK戦の末に敗れたクロアチア戦をトルシエはどう見たのか。そして大会を通しての日本を彼はどう評価し、今後に向けてどのようなアドバイスを贈るのか……。 勝敗を分けた経験の差 ——試合(クロアチア戦)をどう見ましたか? トルシエ 日本は準々決勝にかぎりなく近づいた。もちろん残念な部分はあるし不満もある。勝負はPK戦で決まったから結果はとても残念だ。しかし試合内容で評価すれば、クロアチア戦も素晴らしい試合を日本は実現した。経験豊かで偉大な選手たちを揃えたチームに対して、日本は震えることなく対等にプレーした。クロアチアにとってはとても危険な存在だった。日本は胸を張っ