上海天文台、国立天文台などの研究者からなる国際研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム, HSC) を使い、地球から 1200 万光年の距離にある渦巻銀河 M81 の周囲の広域観測を行いました (図1、動画)。その結果、M81 の周りで若い星の集団が、中性水素ガスの分布と重なるように広い範囲に分布していることを発見しました。M81 は隣のスターバースト銀河 M82、楕円銀河 NGC 3077 と強い重力相互作用をしており、その潮汐効果で M81 から引き離されたガスの中で生まれた星々が、M81 の周りを漂っているのだと考えられます。 図1: (上) HSCが写し出した M81, M82, NGC 3077 の疑似カラー画像。視野の直径は約 1.5 度。(下左) M81 付近を拡大した画像。(下中) M81