白神山地世界遺産地域科学委員会(委員長・中静透森林研究・整備機構理事長)は30日、今年度の会議を秋田市の林野庁東北森林管理局で開いた。食害が懸念されるニホンジカは、2022年の目撃数が青森、秋田の両県の遺産地域周辺において、調査を始めた11年以降最多の229頭と、70頭だった前年の3倍超に上ったことを報告。個体数の増加、特に交尾期に活発に動く雄が増えていると推測され、委員からは「いかに早く捕獲に結びつけるかが課題」と、長期的視点で継続した対策が急務との意見が挙がった。 ニホンジカは環境省、林野庁、青森県が設置する自動撮影カメラ計101台による撮影、有害捕獲などを含めて200件229頭を確認。うち5頭が雌の成獣で、秋田県藤里町の核心地域内で雄の成獣1頭が撮影された。本県側では深浦町の複数の地点で何度も撮影されているが、同一個体の可能性もあるという。 環境省東北地方環境事務所西目屋自然保護官事