前回の拙稿では、イラン核協議を巡る主要な問題点や、20%ウラン濃縮の何が問題なのかといった点をまとめた。 そこで今回は、イラン核協議を巡る各国の思惑について解説してみたい。 「核の平和利用」を主張するイランイラン自身は、核兵器開発の意図を認めたことはない。ウラン濃縮活動を初めとする核関連活動はあくまでも原子力発電における核燃料の自律的な供給確保を目的としたものである、という立場だ。 現在、イランは1967年に稼働を開始したテヘラン研究炉(TRR)やごく小規模なタンク型研究炉のほか、ロシアの援助で南西部ブシェールに建設された軽水炉(2013年に本格稼働開始)を有している。 兵器級プルトニウムを生産可能なアラクのIR-40重水炉さらにイランは西部アラクに重水炉を建設中であるほか、2014年11月11日にはロシアとの間で新たに軽水炉2基の建設契約を結ぶとともに、さらに6基の原子炉の建設についても