ペンネーム「加島葵」のメンバーで取材に応じた(左から)岡本康子さん、市川春子さん、石﨑宏子さん(斉藤佳憲撮影) 女子大の同級生11人が40年以上、共同ペンネームを使って海外の児童書や絵本を翻訳し、80代半ばになったこの夏、最後の作品「魔法のルビーの指輪」(朔北社)を出版した。メンバーが「宝物」としてきたペンネーム「加島葵(かしま・あおい)」の活動の日々を語った。 ■みんなの名前組み合わせ 安保闘争で騒然とした昭和30年代、11人はお茶の水女子大文教育学部英文科のクラスメートだった。卒業後、結婚やキャリアを積むそれぞれの人生を歩み、十数年後-。 「子育てが一段落したり、ご主人の転勤などで地方にいた人が東京に戻ったりして、定期的に集まるように。そこでみんなで翻訳をしようという話になりました」と岡本康子さん(85)。 いずれも主婦の岡本さん、石﨑宏子さん(85)、市川春子さん(84)ら、56年に