72度目の終戦の日を迎えた。日本を守ろうとして斃(たお)れた人々に感謝し、慰霊を尽くすことを全世代が心に刻む日である。 幼少時の鮮明な記憶が残る人はほぼ80代となっている。当時を含め、今日に至る歴史を連続的にとらえるには、正しく史実を継承していくことが欠かせない。それを現在や未来に生かす努力も、世代を問わず求められよう。 広島、長崎への原子爆弾攻撃がもたらした惨禍を二度と繰り返させないと今年も誓った。誓いは、この国を再び絶望のふちに落としてはならない決意でもある。 尊い犠牲に目を向けよ 「対話」か「圧力」かなど、その方法論で意見が交錯するのは、自由な言論を尊重する民主主義の価値といえる。ただ、日本の置かれた情勢を見極め、それに基づいた判断を積み重ねるのでなければ実りある議論とはなるまい。 日本はすでに危機に直面しているという認識を、共有することから始めたい。 終戦の日から1週間ほど過ぎた頃