この本には、「お母さん、お母さん、今日、宿題やっていかなかったんだけど、田中先生、全然怒んなかったんだよ」という子どものセリフが出てきます。この言葉には、宿題のことはあまり意味をなさず、「田中先生は優しいから好き」という気持ちがこめられているのだと書かれています。 なぜこんな風に子どもがまどろっこしい言葉を使うかというと、「子どもに代表される社会的弱者は、他者に対して、コンテクストでしか物事を伝えられないからだ」そうです。ここでいうコンテクストとは、前回、前々回のレビューでも出てきましたが、ひとりひとりの言葉の使い方の違い、あるいは一つの言葉から受けるイメージの違いのことです。 この一文を読んで、自分のことを振り返りました。私自身は、今でこそ言いたいことを言えるようになりましたが、その昔は、なかなか思ったことが言えませんでした。もちろん、OLとして働いていたときは、周囲の女性の同僚よりも言
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