原作のある映画化作品はほとんど場合、原作が優れている。これは映画が長くても3時間で終わるという尺の限界を持つ形式上、仕方がないとはいえるし、その補いとして映画的手法によって映像作品ならでは魅力を出すこともできる。役者の素晴らしさというのも映画にはある。それでも映画化作品が原作を超えることは難しい。そしてこうした、ある一方通行的な限界を踏まえた上で逆に、映像作品で作り込めなかった部分のノベライゼーションというものもある。しかしそういう、超えることができないかに見える制約が、ストリーミングのドラマで打開されたと思える映像ドラマ作品がしだいに増えてきた。なぜか。 まず、ドラマなので尺の制限はない。特にNetflixがそうだが、映画4、5本分くらいの尺で一気に見せる大作も可能になっている。またドラマとはいえ一般的なテレビ・ドラマとは違い、スポンサーや直接的な視聴率を気にしなくてもいい。興行としての