昔はどこの会社にも、鬼のような上司がいた。上司は部下を厳しく育てた。部下たちは、猛烈社員となって会社の発展に寄与し、日本は奇跡の復興を遂げた。高度成長後、40数年の歳月が流れ、いつの間にか会社から鬼の姿が消えていった……。 高度成長期やバブル期を知らない40歳以下の世代の方々は、そのような時代をまるでバビロンの栄華のように思い描いているかもしれない。当時を生きた人々は明日を患うことなく幸福感に溢れ、希望に満ちた日々を送っていたと思うだろう。それに比べて、いまの若い人の多くは「自分の時代は、なんとみじめなのだろう」と嘆く。「大学を出ても就職もままならず、正社員の身分を手に入れるのも難しい。職についても、いつリストラされるかという不安に苛まれる毎日だ」と。 しかし、ちょっと待ってほしい。そんなバビロンの栄華は、第2次世界大戦で生き残った人たちが敗戦の焼け跡に立ち、「どんな困難にも耐えてみせる。